今年6月に任天堂の新社長に就任する古川俊太郎取締役は、スマートフォン向けのゲームで早期に1,000億円規模の売上高を目指すことを明らかにしました。
ゲーム機「ニンテンドースイッチ」は業績回復の原動力となっており、販売地域を中東や東南アジアにも広げ、今後も収益拡大を図っていきます。
ニンテンドースイッチは好調ですが、古川取締役はスイッチ以外の事業拡大を経営課題に掲げています。「今後一番大きくしたいと思うのがスマホゲーム」と述べました。
任天堂は2016年3月にスマホゲームに参入し、これまでに4本のゲームを配信してきました。しかしキャラクター使用のライセンス収入を含めたスマホゲーム関連については、売上高393億円と、全体の4%にすぎないのが現状です。
古川取締役は、「ゲーム機と同様に大きく化けるものが出るということが任天堂のビジネスの本意である」と語り、1本の爆発的ヒットによりスマホゲームの事業を軌道に乗せていく方針を示しました。
任天堂は「スーパーマリオラン」など、ゲーム機で人気の自社のキャラクターをスマホ用に作り替えたゲームを開発してきました。
参考にするのはアメリカのナイアンティックが開発した「ポケモンGO」。2016年に世界的なブームとなりました。
君島達己社長(6月末に相談役に就任)は、「ポケモンGOは大きな気づきになった」と語っています。一方で古川取締役は「開発中のスマホゲームで、そういうものがあるとは言えない」と言及しました。
スマホゲームの開発では、サイバーエージェントの子会社、サイゲームスと資本提携します。協業先については、まずは開発現場での意気投合が重要と考えた上で、今後も拡大していくことを示唆しました。
今後ニンテンドースイッチは販売地域を増やしていきます。販売代理店などを通じて中東や東南アジアを中心に拡大し、まずは50ほどの国と地域で販売を広げ、スマホゲームへのアクセス数を見ながら、今後の参入エリアを検討していく方針です。
[参考記事:2018/05/02 日本経済新聞]
岩田聡前社長が亡くなり急遽社長に就任した君島氏は「スイッチを上手く立上げ、世代交代を行うことが私の役割だった」と話していました。次期社長に就任する古川氏については、経営全体に関する指示が的確な上、国際経験が豊富で海外社員とのコミュニケーションもしっかりできる点などが評価されています。
コミュニケーション能力ってとっても大切ですよね。そして、業績が悪化している中でも研究開発費をしっかりとキープしていたことが、ニンテンドースイッチを生み出すことに繋がりました。これからどんなスマホゲームが登場するのか、今後の展開が楽しみです。