NTTドコモは16日、同社のサービスポイントを使って資産運用などができるサービスと、利用者の行動を先読みするAIサービスを発表しました。

いずれもドコモの携帯電話の回線契約がなくても利用できます。
回線契約が伸び悩む中、どこもはポイント会員を優遇するためのサービスエリアを拡大しました。金融をいうカテゴリーにも参入し、通信にはこだわらない事業モデルへの転換を図っています。
発表された資産運用事業は、会員がドコモの自社ポイント「dポイント」を使って、投資信託など投資を体験できるサービスと、コンピューターが資産運用を指南する「ロボット・アドバイザー」というサービスです。

資産運用については、運用成果などもポイントで受け取ることができ、dポイント会員はポイントを他の各種サービスに利用することができます。
ロボアドサービスは、基本情報や毎月の貯金額など5つの質問に答えると、世界の約6,000の上場投資信託(ETF)から最適な金融商品が提案されます。毎月松の運用残高1万円につき、1.5ポイントがポイント還元されます。

ドコモはdポイントの会員に金融やコンテンツ、健康管理など、独自のサービスを提供し、積極的にポイント還元することで、会員を囲い込んでいく狙いです。これまでの回線契約をメインとしていた経営モデルを転換しました。
このプロジェクトを推進しているドコモの阿佐美弘恭祝社長は、「回線契約は他社に移ると顧客数は減ってしまうが、ポイント会員は一旦登録したら消さない限り減らない」と話しています。

30日からスタートする会話型AIは、スマホなどに専用アプリを取り込むことで利用できる。利用者の行動パターンを分析し、通勤、通学に利用する電車が遅延した場合、AIが先読みして通知してくれるようなサービスもあります。
ドコモの吉沢和弘社長は、「利用者にとって一番身近なスマホを扱うことで、誰よりも利用者を理解するサービスの実現になる」と説明しました。

ドコモは2年半前に、dポイントを他の流通大手でも利用できるようにオープン化しました。ローソンやマツモトキヨシなど、加盟店を拡大しています。高島屋などの店頭では、QRコードなどを使いキャッシュレスで買い物ができる決済サービス「d払い」も導入しました。
現在、会員数は約6,500万人にもなります。「Tポイント」など、共通ポイントの大手に匹敵する規模に広がっています。

吉沢社長は、「今回のAIや資産運用のサービスは、いずれも会員基盤の強化に繋がる」と話しています。例えば、会話型AIやスマホで取得できる様々なデータを分析することで、利用者の望むサービスや商品を的確に勧めることができます。
会員サービスでは、9,500万人という強大な顧客基盤を持つ楽天の存在もあります。2019年後半に携帯市場に参入予定の楽天は、電子商取引から旅行の仲介、金融まで、会員ポイント事業で先を走ります。
どこまで付加価値が高いポイント会員サービスを打ち出せるかが、カギを握ります。

[参考記事:2018/05/17 日本経済新聞]

ドコモが新規事業に乗り出しました。携帯などの回線契約の事業から、ポイント関連のサービスを強化していきます。今回の資産運用のサービスは、投資未経験など、初心者の若者が主なターゲットとなっており、また独自の「dポイント」会員基盤の強化が狙いです。
ポイントで資産運用ができるとは、初回のリスクが低く取り組みやすいですね。私は投資信託をかれこれ8年ほどやっていますが、以前よりもお金の運用をされる方がだいぶ増えてきた印象です。貯金以外のお金の持ち方、増やし方、日本でも今後より浸透していきそうですね。