日本マクドナルドは、スタッフ研修にデジタルゲームを通じて業務ノウハウを身につけてもらう手法を導入します。

実地研修の前に知識を効率的に定着させるためです。すかいらーくホールディングスやモスフードサービスでも、楽しめる研修を活用しています。
外食産業では人材の確保が難しくなっており、新たな研修で定着率を高める狙いです。

マクドナルドはタブレット約9,000台を、今後数年のうちに2,900店に導入し、アルバイトや社員の研修に使用します。ハンバーガーの包装紙を選ぶ時間を競うゲームや、注文の音声を聞いてレジ打ちを体験するゲームなどを用意しました。自分の成果がランキングとして表示されることで仲間と競うことができ、何度も挑戦できるよう工夫されています。

店長からの評価を表示したり、社員に質問できる機能も搭載されています。人材育成を担当する「ハンバーガー大学」が開発しました。タブレットの利用を通じて職場のコミュニケーションを増やし、アルバイトの意欲を高めることで離職を防止します。

すかいらーくでは今年から導入した動画によるアルバイト研修で、クイズを採用しました。お辞儀の仕方や、接客や注文システムなどの利用方法を学び、クイズで学習内容を確認します。正解するとポイントが貯まり、仲間と競うことができます。

モスバーガーでは、企業への親近感を高めるためにクイズを利用します。社員やアルバイトの研修会で、社名の由来や商品で利用する素材について学ぶことができます。研修の緊張感をほぐすだけでなく、企業の歴史を知るきっかけとしていきます。

仕事を選ぶ際に研修内容を重視する人が増えています。求人サイト「an」を運営している人財紹介大手のパーソルキャリアでは、「アルバイトを選ぶ際に重視するポイント」を調査したところ、高校生の35%、大学生の19%が「初めの研修や教育、フォロー制度がしっかりしている」点だと回答しました。

[参考記事:2018/07/23 日本経済新聞]

外食業界では人手不足が深刻です。そんな中で大手企業が打ち出したのがゲームなどを利用した楽しい研修。クイズ形式で仕事を覚えたり、会社のことを学べるとは…一昔前の「仕事は経験を重ね苦労して身につける」の様な若手研修では企業が生き残れない時代になってきましたね。人材を大切にする企業が増えているのはとても嬉しいことです。
楽しく学べる研修を用意するためには、業務の体系化やマニュアル等の完成度の高さも求められますし、人材教育に力を入れると、人材の定着率だけでなく企業全体が整い、良い相乗効果を生み出せそうですね。